凍った湖の上を歩いてホテルからホテルに行けるなんて、そんなことある?
2025年2月下旬、女ひとりで人生初のオーロラを見るべくフィンランド・イナリへ行った時の旅の記録を書いていきます。

チェックアウト後、5時間の自由時間
時刻は11時少し前。ホテルをチェックアウトして、迎えのシャトルが来る16時まで約5時間。スーツケースは預けて、身軽な状態でイナリの街を最後にもう一度歩くことにしました。
なんとなく足が向いたのは、何度も通ったスーパーがある街の中心部。数日間歩いただけなのに、すでに見慣れた風景になっているのが不思議です。帰る日って、急に全部が愛おしく見えてくるんですよね。
今日の天気は曇り空。気温は天気予報によるとマイナス2度くらい。フィンランド・イナリの2月の気温にしてはそこまで寒くはないのかもしれませんが、服装には要注意。手袋と耳当て付き防止は必須です。


凍ったイナリ湖を歩いてみるという小さな挑戦
スーパーの向かいにある、ホテルイナリの裏手に広がるイナリ湖。ここから、私が泊まっていたホリデイビレッジイナリまで、湖の上を歩いて渡ることができます。滞在中ずっと気になっていたものの、なんとなくタイミングを逃していたこと。せっかくの最終日なので、思い切って挑戦してみることにしました。




湖の上にはスノーモービルが通った跡が何本も走っていて、その部分はしっかり踏み固められているので意外と歩きやすいです。逆に、踏み固められていない場所はふわっと足を取られて少し歩きづらい。慎重に、でもどこか楽しくて、白い世界の中をゆっくり進みます。途中、スノーモービルが勢いよく走り去っていく音がして、静寂の中に一瞬だけエンジン音が響きました。その音が遠ざかると、またしんとした空気に包まれます。


湖の途中には標識のような看板が立っていました。向かう先の街の名前と、ここから何キロといった距離表示が書かれています。


氷の上に立つ道しるべ。なんだかそれだけで少しワクワクしました。あんな遠くまで歩いていく人もいるんだなと、遠くの小さな人影を見ながら思います。正直、一人でなければもっと先まで行ってみたかったです。でも何かあったら困るので、今回はほどほどで。


ゆっくり20〜30分ほど歩くと、見慣れたコテージ群が見えてきました。氷の上から眺めるホリデイビレッジイナリは、また少し違った表情をしています。到着した瞬間、達成感というより「もうすぐ本当に帰るんだな」という実感がじわっと込み上げてきました。イナリを去るのが、思っていた以上に名残惜しいです。


サヨス・カルチャーセンターの曲線美に見とれる
もう一度、街の中心に戻ってきました。時間はまだたっぷりあります。スーパーを通り過ぎてさらに歩いていくと、ひときわ存在感のある建物が目に入りました。それがSaamelaiskulttuurikeskus Sajos、通称サヨス・カルチャーセンターです。


サヨス・カルチャーセンター
営業時間 9時00分~17時00分(ランチ10時00分~16時00分)
定休日 土曜日・日曜日
木を多用したダイナミックな曲線のフォルム。いかにも北欧らしい、自然と調和するデザインです。冷たい空気の中で見るその建物は、どこかあたたかみもあって、思わず立ち止まってじっと見てしまいました。


併設のカフェもあり、ガラス越しに見える空間はとてもおしゃれ。ですが、この日は土曜日でお休みでした。空いていたら絶対に入ってみたのに、と少しだけ残念な気持ちになります。


旅って、こういう「入れなかった場所」も含めて思い出になるんですよね。全部を回りきらないからこそ、また来たい理由ができるのかもしれません。
橋の向こうへ、最後の散歩
さらに歩いていくと、小さな橋が見えてきました。その向こうにもフィンランド・イナリの数少ない観光スポットがあります。




一人旅は、全部を自分で決められるのが楽なところです。でも同時に、判断もすべて自分次第。遠くまで行きすぎないこと、無理しないこと、ちゃんと時間を逆算すること。そういう小さな選択の積み重ねが、この旅を安心して楽しめた理由だった気がします。
静かな雪景色の中を歩きながら、イナリで過ごした数日間を思い返します。派手なことは何もしていないけれど、凍った湖を歩いたこと、夜中にオーロラを待ったこと、スーパーでシナモンロールを選んだこと。その全部が、私にとってはちゃんと特別でした。
また必ず戻ってきたい。そう自然に思える街に出会えたことが、この旅でいちばんの収穫かもしれません。
橋の向こうにある建物は、シーダ博物館。残り少ないイナリの時間を楽しみたいと思います。


\旅のお供に1冊あると安心/















