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ハヤッシ以前イタリアを旅行したとき、現地で飲んだエスプレッソのおいしさにすっかりハマってしまいました。



帰国後はビアレッティのモカポットを購入し、自宅でも濃いめのコーヒーを楽しむのが最近のお気に入り。



そこで今回のイタリア旅行では、「せっかくだから現地でモカポット用のコーヒー粉を買って帰ろう!」と思い、ローマ・テルミニ駅構内にあるイタリアのスーパーマーケット「Conad(コナッド)」へ行ってみました。
ローマ・テルミニ駅の地下1階にあるTUDAY CONAD
観光ついでにお買い物しやすい。
コーヒー売り場には、日本ではなかなか見かけないほどたくさんの商品が並んでいます。
その中から見つけたのが、コナッドのプライベートブランドの商品。


パッケージにはモカポットの写真が大きく掲載されていたので、「これはモカポット用のコーヒー粉だ」と思い、ほとんど迷わず購入しました。
というのも、このときの私は「モカポットで淹れるもの=コーヒー」だと思っていたから。
そもそも「オルゾ」という飲み物が存在することすら知りませんでした。
ところが、日本へ持ち帰ってから確認してみると……。
なんとこれ、コーヒーではなく「ORZO(オルゾ)」。



コーヒー粉を買ったつもりが、まったく別のものを買っていました。
とはいえ、パッケージには確かにモカポットの写真が載っています。



コーヒーじゃないのに、なんでモカポット?
気になって調べてみると、このオルゾ、単なる「買い間違い」で終わらせるにはもったいない、イタリアでは昔から親しまれている飲み物でした。
オルゾ(Orzo)とは、イタリア語で「大麦」を意味する言葉です。
つまり私がコーヒー粉だと思って買ったものの正体は、コーヒー豆ではなく焙煎した大麦を原料にした飲み物でした。
イタリアでは「Caffè d’orzo(カッフェ・ドルゾ)」などと呼ばれ、焙煎した大麦から作るコーヒー風の飲み物として親しまれています。
見た目はかなりコーヒーに近く、濃く抽出するとエスプレッソのような色合いになります。
日本では「オルゾコーヒー」と呼ばれることもありますが、実際にはコーヒー豆を使用していないので、厳密にはコーヒーではありません。
「オルヅォ」と表記されることもありますが、Orzoを指している点では同じです。
イタリア語の「orzo」は、日本語にすると「大麦」。
私のようにコーヒー売り場周辺で見つけると、パッケージによっては普通のコーヒー粉と間違えてしまう可能性があります。
特に今回購入した商品にはモカポットの写真まで載っていたため、オルゾを知らなかった私は完全にコーヒーだと思い込んでしまいました。
しかしイタリアでは、モカポットのような器具を使ってオルゾを抽出して飲む方法もあります。
つまり「モカポットの写真=コーヒー」というわけではなかったんですね。
イタリアでモカポット用のコーヒーを買うなら、パッケージの写真だけで判断せず、「Caffè」「Moka」「Orzo」などの表記もしっかり確認することをおすすめします。



せっかくイタリアから持って帰ってきたので、オルゾを実際に飲んでみることにしました。






香ばしい香りが強く、コーヒーとは違うものの、焙煎した穀物ならではの香りがあります。
コーヒーのような苦味や酸味は控えめで、全体的にやさしく、どこかホッとする味。
日本人にとって比較的イメージしやすいのは、やはり麦茶だと思います。
ただし、冷たい麦茶をゴクゴク飲む感覚とは少し違います。
濃く抽出したオルゾは香ばしさとコクがあり、「麦茶をかなり濃厚にして、コーヒーのような飲み物に仕上げたもの」と考えるとイメージしやすいかもしれません。





アイスコーヒーに対するエスプレッソ
日本の麦茶に対するオルゾ
のような違いに感じられました。



でもやっぱりコーヒー欲は満たせないかも…麦の味が強めです。



オルゾについて調べていると、「結局、麦茶と何が違うの?」という疑問が出てきます。
どちらも大麦を焙煎して作られるため、かなり近い存在です。
大きな違いは、原料そのものというよりも、焙煎方法や挽き方、そして飲み方にあります。
日本の麦茶は、焙煎した大麦をお湯や水で煮出したり、水出ししたりして飲むのが一般的。特に夏は、冷蔵庫で冷やした麦茶を飲む家庭も多いですよね。
一方、イタリアのオルゾはコーヒーの代用品として発展してきたこともあり、細かく挽いたものをコーヒーのように抽出して飲むタイプがあります。
そのため「オルゾ=イタリア版麦茶」と言ってしまうと少し乱暴。
同じ大麦を使った飲み物だけれど、イタリアではコーヒーに近いスタイルで楽しまれている、と考えると分かりやすいと思います。
日本では「オルゾコーヒー」や「オルゾティー」など、いろいろな呼ばれ方をしています。
原料だけを考えればコーヒー豆を使っていないため、一般的なコーヒーとは別物です。
一方で、イタリアではエスプレッソのように抽出して飲まれることもあるため、「コーヒーの代わりになる穀物飲料」という立ち位置が近そうです。
日本でいう麦茶のようなお茶として楽しむこともできますし、濃く淹れてコーヒー感覚で楽しむこともできます。


オルゾの大きな特徴のひとつが、原料が大麦であること。
コーヒー豆を使った飲み物ではないため、一般的な大麦100%のオルゾにはコーヒー由来のカフェインが含まれていません。
そのため、カフェインを控えているときや、夜にコーヒーのような香ばしい飲み物が欲しいときの選択肢にもなります。
また、大麦を原料としているため、商品によっては食物繊維などを含むものもあります。
ただし、「オルゾを飲めば○○に効く」といった医薬品のような効能があるわけではありません。
健康目的で取り入れる場合も、商品の原材料や栄養成分表示を確認したうえで楽しむのがおすすめです。
そして今回、私が一番驚いたのがここ。
オルゾはモカポットのような器具を使って淹れることもできます。
だから私が購入した商品のパッケージにも、モカポットの写真が載っていたんですね。
オルゾにはインスタントタイプやお湯で抽出するタイプなどさまざまな商品があり、イタリアではモカポットでの抽出を想定した粉タイプも販売されています。
私が購入したのも、まさにコーヒー粉と間違えてしまうような粉タイプでした。
モカポット対応の商品であれば、基本的には商品パッケージに記載された方法に従って抽出します。


ただし、オルゾはコーヒー粉とは粒子の状態や膨らみ方などが異なる場合があります。
普段使っているモカポットに何でもそのまま入れればいいというわけではないので、商品の表示を確認してから使用してください。
私が今回購入したオルゾも、フィルター部分に粉を目いっぱい入れるのではなく、半分まで入れる、と記載されていました。
別の入れ方として、モカポットを使わず鍋で入れる方法も記載されていました。こちらの方が一度にたくさんのオルゾを作ることができるので、最終的に私はこの方法で作っていました。
また、イタリアにはオルゾを淹れるための専用器具「Orziera(オルジエラ)」もあります。
今回の買い間違いをきっかけに、「モカポットのような器具で淹れる飲み物=コーヒーだけ」という私の思い込みは見事に崩れました。
オルゾはスーパーで売られているだけでなく、イタリアのバールやカフェでも見かけることがあります。
メニューに「Caffè d’orzo」や「Orzo」と書かれていたら、大麦を使ったコーヒー風の飲み物です。
コーヒー文化のイメージが強いイタリアですが、カフェインを摂りたくないときなどに選べる飲み物としてオルゾも親しまれています。
今回の旅行では存在すら知らなかったため注文することはありませんでしたが、次回イタリアへ行ったら現地のバールでも一度飲んでみたいところです。
「イタリアまで行かないとオルゾは買えないの?」と思うかもしれませんが、日本でも大麦を焙煎した飲み物は販売されています。
輸入食品を扱うショップや通販サイトなどで、「オルゾ」「オルゾコーヒー」「大麦コーヒー」といった名前で探すと見つけやすいです。
カルディのような輸入食品店でも、大麦を使ったコーヒー代替飲料や穀物飲料が取り扱われることがあります。
また、ルピシアでは「オルヅォ」の名称で大麦を使った飲み物が販売されることがあります。
イタリアのカッフェ・ドルゾと、日本でお茶として販売されているオルヅォでは、商品によって焙煎やフレーバー、淹れ方などが異なります。
「オルゾってどんな味なんだろう?」という人なら、まず日本で手に入るものから試してみるのもいいと思います。
今回、私がオルゾを知ったきっかけは完全に偶然でした。
ローマ・テルミニ駅のコナッドで、モカポット用のコーヒー粉を買うつもりが、実際に買ったのは大麦から作られたオルゾ。
しかもパッケージにはモカポットの写真が載っていたため、オルゾの存在すら知らなかった私には、それがコーヒーではないなんて考えもしませんでした。
日本に帰ってから「これ、コーヒーじゃないの?」となり、そこで初めてオルゾという飲み物の存在を知ることに。
最初は完全に買い物を失敗したと思いましたが、調べてみればイタリアでは昔から親しまれている大麦の飲み物。
日本の麦茶と似ているようで、飲み方や文化はちょっと違う。
そして、コーヒーと同じように濃く抽出して楽しむこともできる。
旅行中の買い間違いから、その国ならではの食文化をひとつ知ることができたと思えば、これはこれで面白いお土産になりました。
イタリアのスーパーでモカポット用のコーヒーを探していて、モカポットの写真が描かれた商品を見つけても、それだけでコーヒーだと判断しないようにご注意を。
「ORZO」と書いてあったら、それはコーヒーではなく大麦です。
……私のように、日本まで大事に「コーヒー」を持ち帰ってから気づくことになります。


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